どれも、よく耳にする成分の名前ですね。
DHAとEPAは、かなり以前から、青魚の成分として知られてきました。
一方、オメガ3は、この10年ほどの間に注目されるようになり、スーパーマーケットでは亜麻仁油や荏胡麻油が棚を占めるようになりました。
いまでは、オメガ3を検索すると、DHAやEPAのことが出てきますし、「オメガ」と名のついたサプリにDHAやEPAが配合されていることをよく目にするようになりました。
そんな中、オメガ3や、DHA、EPAのことが気になっていても、それらが漠然と同種であるとの理解ぐらいで、厳密にはどう違うのかを把握しきれていない方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。
このブログでは、注目成分オメガ3、DHA、EPAの違いについて、わかりやすく説明します。
オメガ3は、カラダに必要なアブラ
オメガ3は、「ω(オメガ)-3脂肪酸」または「n-3脂肪酸」の略称で、食物や人体に含まれる脂肪の一種です。
健康な暮らしを営むには必須の成分でありながら、ヒトの体内であらたに生成されることはないため、食事として摂取するべき脂肪酸として「必須脂肪酸」とも呼ばれています。
3種類のオメガ3
オメガ3には、3つの種類が存在します。
ALA(αリノレン酸):亜麻仁や荏胡麻、紫蘇、クルミなどに多く含まれる
DHA(ドコサヘキサエン酸):魚や海産物に多く含まれる
EPA(エイコサペンタエン酸):魚や海産物に多く含まれる
つまり、「オメガ3」は、カテゴリーの総称で、DHAやEPAは、同じカテゴリーの中にある個別の成分のことでした。
「オメガ3」の名を広めたスーパーフードのチカラ
オメガ3という名は、亜麻仁油や荏胡麻油がダイエットや健康に良いというメディア情報で耳にされた方が多いのではないでしょうか。その元を探ると、スーパーフードとしてアマニ油が注目されたことが、日本での普及を加速させた要因のようです。
2013年、サニーヘルス社が「青魚のDHA・EPAを、植物性のアマニ油から手軽に摂取!」という調査レポートを発表しています。
2015年春、日清オイリオ社が、健康性に優れたオイルを食卓でかけて使う新しい食習慣を提案する『鮮度のオイル』シリーズの第一弾として「日清アマニ油」を発売。
その開発のご担当者は「必須脂肪酸であるα-リノレン酸(オメガ3)が多く含まれ、生で使っていただくアマニ油は、開封後の劣化を防ぐ工夫さえできれば市場が広がると確信していました」と述べています。
2015年11月に日本スーパーフード協会が発表した「2016S/S(春夏)トレンド予測 ニューフェイススーパーフードランキングTOP10」で、オメガ3の一種であるαリノレン酸を多く含む「アマニ(亜麻仁・ブラックシード)」が4位にランクイン。これは、当時アメリカでブームとなっていたスーパーフードの中から、日本スーパーフード協会が日本でも推奨したい新しいスーパーフードを紹介する目的で発表されました。
2018年、NHKは11月21日放送の「ためしてガッテン」で『スプーン1杯でカラダが激変!?食べるアブラの新常識』という特集を組み、オメガ3オイルを健康と美容に良いアブラとして紹介。以降、NHKは現在に至るまで、オメガ3の効能を放送しています。
こうした背景に、雑誌の特集など、さまざまなメディアでの発信が加わり、青魚成分として知られているDHAとEPAとは別に、亜麻仁油がスーパーフードとして注目されてきた流れで、オメガ3は広く知られる存在となったようです。だから、オメガ3とDHAやEPAが違うのか同じなのか、漠然とした理解となってしまうことは仕方がないことだと思います。
では、どのオメガ3成分がいいの?
オメガ3のカテゴリー全体が、必須脂肪酸として、カラダに必要なアブラとされ、厚生労働省が摂取基準量を定めて積極的な摂取を推奨しています。つまり、具体の成分によらず、オメガ3と分類されるアブラを意識して摂ることが推奨されているのです。
α-リノレン酸、DHA、EPAには、それぞれの特徴がありますが、同じオメガ3とされるだけに、関連性があります。食事で摂りこまれたα-リノレン酸が、カラダの中でDHAやEPAに変換され、多岐にわたる機能性が期待されるのですが、その変換効率は5~10%ほど。また、乳幼児はこの変換能力が成人に比べて低いという報告もあります。それだけに、できるだけ魚介類を食べることがオメガ3脂肪酸を効率的に摂ることにつながりそうです。